翔の会

翔の会Today

[リレーコラム] VOL.065

"well-being"に必要なもの

水平線 主任

杉 憲吉(すぎ のりよし)

 「誰もが地域で暮らせるために」 翔の会の基本理念です。もし、この理念を実現している場所があるとすれば、そこではどんな身体の状態でも、好きなことや嫌いなことがぜんぜん違っていても、考え方や信条が対立していても、「ここで暮らしたい」と思っている人たちが集まって共同生活を送っているはずです。

 僕が働いている水平線は、ある意味ひとつの地域です。いろんな障害を持っている人たちが水平線で暮らすことを希望しながら生活しています。しかし、個性的な人たちの利害はなかなか一致しないものです。例えば、静かなところが好きなAさんは、心身機能の制限が原因で、必然的に大声になってしまうBさんが苦手です。それでも施設で暮らすためには、Aさんはその状況を我慢しなければいけません。それなら別の場所で静かな人たちと暮らす方がAさんのためには良さそうな気もします。 しかし、その理屈を突き詰めていくと、似ている人たちが固まって過ごす方が良い、ということになってしまいます。“ごちゃまぜーしょん”とは反対の考え方です。そして、自分と特徴や嗜好や信条が似ている人たちが集まって出来た共同体は、自分たちと利害が反する共同体と対立的な関係になりがちです。これでは、今の世界の国々の関係と同じです。一部の人々が一時的に「幸せ」になりますが、常に勝者と敗者が生まれます。そして個人の対立よりもグループの対立の方が、争いも大きくなり、その結末も悲惨です。

 そうならないためには、自分と全然似ていない、「嫌いだ!」と言うしかないような人とも仲良く付き合っていく「能力」が必要だと思うのです。どうすればそれが獲得できるのか、未だにハッキリとは説明できないのですが…。  でも、翔の会で働くようになってから、少しずつ、その言葉では表現しにくい「能力」が僕にも身についてきている、という実感があるのです。多分それは、読んだり聞いたりできる知識ではなくて、やってみないと身につかず、生き方でしか表現できないようなものだと思います。

社会福祉法人翔の会

〒253-0008 神奈川県茅ヶ崎市芹沢786 TEL:0467-54-5424 FAX:0467-54-5498

Copyrights (C) syonokai All Rights Reserved 当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。