[リレーコラム] VOL.044
「ごちゃまぜ」な街
特別養護老人ホームゆるり 主任
松戸 匠(まつど たくみ)
10/16、10/17に管理職研修で、金沢の佛子園の施設へ3か所、見学に行ってきました。
印象に残っているのは、『Shere 金沢』です。そこは、こども、高齢者、障害者、学生などの様々な人たちが分け隔てなく交流できる街でした。
運営主体の「社会福祉法人 佛子園」創設者は住職で、戦後、戦災孤児を寺の境内で養っていましたが、子供の人数が増えてしまい、さらに敷地と建物が必要になりました。そこで、敷地を探して児童養護施設の運営をスタートさせました。
当時は、県内に障がい児を預かれる施設がなかったことから、県から「知的障がいを専門に受け入れる」施設を作ってくれないかと要請があり、知的障がいを持つ子供たちのための児童養護施設として運営をしていました。しかし、知的障がいを持つ子供たちが成人し卒園しても、その後の行き場がありませんでした。
そこで、成人した障害者にも対応できるよう、「就労支援サービス」を併設しました。ところが、障がい者と職員だけで生活しているとシェルターのようになってしまう。そこで今度は、敷地内に学生向けの賃貸住宅を提供する代わりに、学生にボランティアをしてもらう仕組みを作りました。高齢の方には、サービス付き高齢者住宅を作りました。さらに、これだけでは障がい者、高齢者、学生だけのコロニーになってしまうため、もっと地域の人に来てもらって、自然と関わりが持てるようになってほしいと考えました。
そこから、敷地内に地域の方も利用できる温泉施設を作ったり、テナント料を無料にして『Shere 金沢』に理解のある事業者に出店してもらうことで、色々な方々と交流ができる、ごちゃまぜな街が出来てきたようです。
あうんでも、佛子園での取り組みを参考にして、ごちゃまぜな複合施設になれば良いなと思いました。