翔の会

翔の会の取り組み

米倉美房

—仕事の内容を教えてください。


知的障害のある方の入所施設での日中活動の担当です。メンバーさん(利用者さん)がする仕事や余暇プログラムを考えたり、非常勤の方にお願いをして現場うまく回していくのが仕事です。

—翔の会で働き始めたきっかけは?


大学は農大の畜産でした。もともと動物が好きで、関係する仕事をと思っていたんですけど、血を抜いたりで、その夢が崩れていく感じがあって。仕事にはしなくていいかなって思っていました。
そんな感じで迎えた就活の時、最初に受けたところから通知が来なくて、そこで一気にガクッとモチベーションが下がってしまって…。研究が忙しいとか適当に屁理屈を言って、その後はダラダラしてしまいました。
大学の卒業間際、たまたま合同会社説明会で最後に話を聞いたのが福祉の仕事で、説明会に出ていた担当者の方が、「人数が足りなくて、男手があると助かるんです」という話をすごく熱くされていて。その熱さに引き寄せられて、「福祉いいな」と思っていたら翔の会の説明会が大学に来たんです。そのまま採用試験を受けて、卒業する年の2月に内定。ギリギリすべりこみました。

—仕事を始めてからはどうでしたか?


ここは喋れる方も限られていて、身振り手振りなど、日頃培ったもので物事を伝えながら生活しています。その中で、なんとなく「いいムード・関係ができてきたな」と感じてから、自分をさらけ出して働けるようになって、すごく楽しいです。
いいムードになるまでは時間が必要で、例えば最初に入った一週間、あるメンバーさんからずっと無視をされていました。それでも結構しつこく声をかけていたら、「んんっ!」って指差してくれて、
自分「俺?」
メンバーさん「ん!」
って、通じ合えたと思いました。その後、非常勤さんから「最近、彼(メンバーさん)にむかっていったのは君が久々だよ」って言われて嬉しくなりました。
こんな感じで、何気ない活動の合間の時間に、メンバーさんの方から声やちょっかいをかけてくれ始めてから、段々夢中になりました。長い時間をかけて、メンバーさんができるようになったことが見えてくるようになると、さらに嬉しいな、と。
夢中になりすぎて、最初はメンバーさんに対して「それちょっと言い過ぎじゃない?」みたいなこともありました。今は、教える側に回って一歩引いて冷静に見れるようになったかな。

—こだわって取り組んでいることはありますか?


給食で食べたいものを聞くと、だいたいみんな「チャーハン!」とか「ラーメン!」しか言わないんです。自分は食べることが大好きなので、「他にもいろいろおいしいのあるよ!」って言うんですけど、答えはいつも決まっていてショックでした。この人たちは美味しいものを知らないのかなっていうのが、むずがゆくて。

だから、できるだけいろんな経験を積んで世界観を広げてほしいという想いがあります。

例えば、思い切ってメンバーさんをパチンコに連れて行ったりとか、「ギャンブルサークル」を作ったりとか。ゲームをして、勝った順に景品のランクが下がっていくんです。普段はだいたい平等にもらえるんですけど、それが違うっていう。その時、順位が下の方になったメンバーさんがいい方の景品をチラチラ見ていて(笑)。「ガッカリ」とか「クソ!」って気持ちをわかってくれたかな。

みんなが「勝ち負け」を理解してくれるかはわからないですけど、経験として積んでみるのは楽しいのかなって。

—スタッフ同士の関係はどうですか?


非常勤の方たちはみんな自分よりも経験を積んでいるので、最初はすごくお願いしづらかったです。それでも、スタッフ同士の人間関係を見てきて3年目、やっとみんなのことが分かり始めて、ものごとを言いやすくなったかな。ちょっと親しくもあり緊張感もあり、いい感じで付き合えるようになりました。ここにインタビュー来る前にも、非常勤の方が髪型のアドバイスくれました(笑)。

—今後の目標を教えてください。


今年、入道雲の職員が総入れ替えになって、下の人が入ってきた時に教えられる人がいないと大変だと実感しました。だから、教える側の立場を頑張りたいと思います。自分と同じように、福祉とあまり関係ない人が入ってくるので、そういう人たちにも楽しく仕事を続けていってほしいんです。
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