翔の会

翔の会の取り組み

小林加奈

—仕事の内容を教えてください。


小学生の放課後の余暇支援で、1日に平均5,6人の子の個別活動とグループ活動をスタッフみんなで見ています。遊びを通して、育ちをサポートするのが目的です。
自分の遊びを見つけられる子、ちょっとそれが難しい子...それぞれタイプが違うんですが、共通して言えるのが、自分の思いを言葉で伝えるのが苦手なこと。表情は笑っているけどすごい困っていたり、ジェスチャーで「わかってよ」ってそわそわしてる子がいたり。
どうやってそんな彼らの想いに近づくかが一番難しいんですが、そこが一番楽しいところでもあります。

—翔の会で働き始めたきっかけは?


私は、音大で音楽療法を勉強していました。授業で一週間に一度、一時間のスパンで障害のある方とセッションをしていたんですけど、本当に限られた時間と空間の中で人の想いを受け取るのは難しく、みんなが何を見て、考えてここまで来ているのかをもっと密に知りたくなって、生活の支援に興味を持つようになりました。そして、さらに共感する大きなテーマがあり、翔の会へ飛び込んでいきましたね。
そのテーマというのは、「人とのつながり方」が生きて行く中で一番大事だということ。障害のある子たちに「人と生きてくって、いいことだな」って思ってもらいたいんです。自閉症の子は人と接するのが苦手だとよく言われるんですけど、本当は人と関わりたいんですよね。人とつながるチャンスは、絶対にあるんです。

—仕事へのこだわりを教えてください!


お子さんと接する時、「感性を100%にする」というのをすごく大切にしています。

障害のある子たちは感性で生きているので、理性ではその子の世界に全然入っていけないんですよ。だから、まずは色々考えていたことをとりあえず忘れて、目の前の子に、その時の自分の感覚で向き合っていくようにしています。

あと、「子供の世界におじゃまします」という姿勢。まずは「僕にとって害はないな」と思ってもらうところから入って行って、そのうちに「この人、割と面白いな」と、少しずつ私という人を受けとめてもらって…。手洗いやトイレへの誘導みたいなことは、それからですね。「まぁ、この人が言うならしょうがないなぁ。行ってやるか。」という感じでついてきてくれて、関係ができてきます。

—何か手応えを感じたことは?


昨年、前の職場の「うーたん」(翔の会の保育園・児童発達支援センター)で母子クラスを担当するようになったんですが、自分の子供に障害があることをまだ認めたくないお母さん方が、お子さんの小さな成長に気付いて、一緒に喜んでくれるようになったんです。こわばっていた表情も豊かになって、お子さんを可愛いと思う気持ちが伝わってくるようになりました。その時、「一緒に成長できたかな?」と思いました。
私はお母さんにはなり得ないし、気持ちは絶対わからない。お子さんの気持ちだって完全にはわからないんですが、お二人と一緒にすごして、母子関係が深まるとたくさんのことを乗り越えられるということを教えてもらえました。

—新しい発見はありましたか?


お子さんとの関わりの中で「あっ、なんか今伝わったな」っていう嬉しい瞬間があるんですが、その一瞬は私だけのもので、他の人にはわからないのかもしれない、と思うようになりました。瞬間によって人と人との関係は変わるものだし、私たちが「今はこの人といたい」という感情を持つことと同じですよね。
タンブーには色々なバックグラウンド・年代のスタッフが揃っているので、お子さんたちにとってすごくいい環境だと思っています。

—スタッフ同士の関係はどうですか?


私は「人運」を持っている人間なんです。それがたった一つの取り柄で、どこにいってもいい人にめぐり合えます。かなり自分勝手にやってきていると思うんですが、それを「いいね!」って支えてくれる周りの方に支えられ、なんとかやっています。
タンブーはできて間もないので、日々トライ&エラーです。色んなキャラクターの人がいることを大切にして、これからどういう事業所にしていくかっていうのを、作っている最中。トライの8割がダメなんですが、自分が失敗だと思ったことが意外とお子さんに受けたりします(笑)。そこがまた面白いところです。

—今後の目標を教えてください。


感性100%でむかっていく仕事なので、結局は自分の「人間性」なんだなって、いつもお子さんたちが教えてくれます。だから、その自分を豊かに作っていきたい。福祉の勉強だけじゃなくて、色んな経験をして人に会って…「何か、おもしろいことないかな?」っていうことを大切にしたいです。
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